同期演奏で気をつける最大のポイントは、トラブルがないようにする、です。
コンピュータを使う上でのトラブルは、コンピュータの負荷を軽くすることに尽きます。
コンピュータの負荷を軽くするには、
- オーディオしか使わない(ソフトシンセをつかったトラックはすべてオーディオ化する)
- トラック数を最小限にする
というプロジェクトを作りましょう。
トラック数は、オケとクリック(どちらもオーディオ)の2トラックが望ましいです。
実際の演奏時には、オケとクリックの出力先を別にします。
オケのトラックはPAに送る出力先、クリックはモニター(ヘッドホン)に送る出力先にするのです。
こうすることによって、外音にはオケのみ、演奏者のイヤホンにはオケとクリックを同時に返す、といったことができます。
ここまで書くと、同期演奏に求められるオーディオインターフェイスの仕様がわかってきます。
出力が2系統あるので、最低でも2ステレオ=4アウトプットが必要です(インプットは使わないので、不問)。
それから、なんらかの形で、モニターに返ってくるオケとクリックの音量バランスを調整できるものが良いですよね。
でないと、イヤホンから返ってくるのはクリックのみになります。
演奏できないわけではありませんけど。
この音量バランスを調整できる典型的な方法は、オーディオインターフェイスと連携するミキサーソフトを使う、というものです。
ある程度以上の価格のオーディオインターフェイスでしたら、こういったソフトが公式ページから無料でダウンロードできるようになっています。
このミキサーソフト上で音量バランスを整えるのです。
しかし考えてみてください、演奏時のコンピュータの画面は、同期演奏のためのプロジェクトが開いているはずです。
もし上記ミキサーソフトを使うとなると、画面上にDAWのプロジェクトとミキサーソフトが同時に表示されている状態になります。
これは若干使いにくい上に、上記したコンピュータのトラブル回避という意味でも減点です。
これらを解決するオーディオインターフェイスをこのたび見つけました。
それが、ZOOMのU-24です。
リンク
仕様をテキストで見るより、本体の写真を見たほうがわかりやすいですよね。
①と②はともにアウトプット。
①はフォン端子2つをステレオで出力するのが一般的でしょうね。
②はヘッドホン端子で、①とは別の出力先になっています。
肝は③です。
小さいと思いますが、ここには
BALABCE(DAW1-2、DAW3-4)
と書いてあります。
なるほどこのつまみは、ヘッドホンから出力される音について、DAW1-2、DAW3-4のバランスを決められる、ということです。
例えば、DAW上で
に設定し、つまみを左いっぱいに回せばオケのみ、右いっぱいに回せばクリックのみはヘッドホンに返ってくる、ということですね。
そのバランスを一つのつまみで決められる、ということです。
これは最高の仕様じゃないですか!
電源はUSBケーブル経由か単3電池(2本)か、ACアダプタ(別売)を選べます。
同期演奏時はコンピュータとつなぐのが必須なので、USB経由で問題なければそれが一番ラクです。
音質は高級インターフェイスには劣ると思いますが、正直気にならないレベルです。
これは良い買い物をしました。
次回ライブより活躍してくれるでしょう。