日々じゃーなる

日々の生活でおもったことをなんとなく、でも結構まじめに綴るブログです。 趣味は読書とビリヤード。仕事は音楽関係。

ライブと音源

音楽業界は不況、、とはいえ、音楽で生計を立てていきたい、と思う人は今でも多いはずです。

 

私もまあまあ長く音楽業界にいるので、プロになれる人となるのが難しい人を無意識に分析してしまいます。

 

分析の結果の一つが、ライブと音源の捉え方です。

音楽はライブで成り立つけど、音楽ビジネス、つまりお金を生んでいるのは音源だということを意識してほしいと思います。

 

 

いきなりプロのミュージシャンになれる人はいません。

人前で演奏できるくらいのスキルが身についたら、ライブハウスに出演して場数を踏みます。

 

多くのミュージシャンは、ライブが好きですね。

ライブでの躍動感は、やっぱり家で音源を聞いているときや、通勤途中のイヤホンでは感じるのが難しいでしょう。

 

だから、より良いライブをするために、多少の出費(ノルマとか移動費とか)があっても、ライブをコンスタントに続ける人は多い。年間100本、200本以上のライブをする人だっています。

それはもちろん身になっていきます。

 

一方、音源に関してはどうでしょうか。

 

一般の音楽ファンが耳にするのは、完成された音源です。

アマチュアミュージシャンとはいえ、もともとは素人だから、音源制作の現場を見聞きする機会はほぼほぼありません。

だから、一歩でもプロに近づきたかったら、音源をめちゃくちゃ研究するしかありません。

 

ライブは演奏スキルだけでなく見た目もあるので、学べるものを見つけやすい。

一方、音源はスピーカーからなる音だけです。

自主制作で作った音源とプロの音源の違いを見つけるのが難しい。

違いがわかっても、その具体的な解決方法がわかりません。

(音質がイマイチとか、音が小さいとか・・)

 

結局、音源制作に労力をかけようと思ったところで、どこにどんな労力やお金をかけてよいかわからないから、ちょっと中途半端なものになっちゃいます。

 

結果、ライブは全力でやり、音源制作はその合間を縫って作るサブ、みたいな構図になります。

 

ここで、考えてみます。

音楽で生計を立てていきたい、というのは、はっきり言っちゃうと、音楽でお金を稼ぎたい、ということですよね。

では、ライブと音源と、どちらがお金を生むでしょうか。

直接的にでも、間接的にでも構いません。

どちらでしょうか?

 

正解は、迷うことなく音源です。

 

冒頭にも書いたとおり、世の中は不況で音楽も例外に漏れません。

だから、音源による収入よりも、ライブによる収入のほうが大事、と思う人もいるかもしれません。

しかし、音源による収入は以前に比べて下がっているというだけで、ライブによる収入と比較したら、今でも大きな差があります。

 

それに、ライブにも音源にももちろん費用がかかりますが、想像通り、ライブの費用はものすごい。

設備費や人件費、移動費、その他費用を考えると、ライブによる利益というのは下がっちゃいます。

 

お金は音源が生む。

もしお金を稼ぎたいのならば、音源にこそ労力を注ぎ込む必要があるのです。

でも、アマチュアミュージシャンはそれが逆転しています。

ライブ命、音源はまあまあ。

 

一生音楽をやっていきたい。

音楽で生計を立てたい。

 

この2つは、似ているようで違います。

前者は、ガンガンライブをやれば良い。世代もあるかもしれませんが、私だって音楽の真髄はライブにあると思っています。

 

後者になるのならば、考え方を変えなければいけません。

音源こそがお金を生むのだ、と強く意識する必要があります。

ライブは続けつつ、音源制作により一層の力を注ぎ込むのです。

 

音楽ファンが日々聞いている音楽は、そのほとんどがプロのものです。

プロの音源制作にはものすごいお金と労力が注ぎ込まれています。

そうやってできたプロの音源を音楽ファンは聞いて、それが標準だと思っているのです。

今なら、そんなプロフェッショナルな音楽が月1000円弱で聴き放題です。

 

マチュアが音楽ファンに向けて音源を売るというのは、そういうプロフェッショナルと同じ土俵に立つ、ということです。

音楽を聞く時に、知り合いでもなければ、それがプロによる音源なのか、アマチュアによる音源なのか、を把握して聞く人なんていません。

音楽ファンの貴重な「音楽を聞く」という時間を費やすのに、その音源の完成度に歴然とした差があったら、勝負になりません。

 

個人で音源制作にかけられる労力や費用は限られています。

しかし、最近はDAWソフトの低価格化や技術革新もあり、以前に比べると相当安いコストでプロの音源に近づけるようになりました。

 

一歩でもプロの音源に近づけるような努力をしているのかどうかは、音源を聞いたらすぐにわかります。

圧縮音源とはいえ、AppleAirPodsなど高級なイヤホンで音楽を聞く人も多い。

しかも、プロの音源とアマチュアの音源を横断的に聞くことが簡単にできるので、その差も浮彫りになりやすい。

 

わかる範囲で良いと思うのです。

ちゃんとリズムの縦は完璧にそろっているのか。

曲が始まるまでのブランクにサーっていうノイズがなってないか。

演奏は間違っていないか。

低域や高域は出すぎていないか。

 

参考にできる音源は、やまほど巷に溢れています。

聴き比べて近づけていく努力はできます。

 

 

ミュージシャンがやりたいのはライブ。

わかっています。

じゃあライブを続ければ良いのです。そのかわり、この時点でお金の話はまだ出てきていません。

もしそこでお金を稼ぎたい、と思うのならば、やりたいこととお金を生むものが偶然一致しない限りは、考えるしかありません。

 

ライブをいっぱいやって、音源もつくって、、、でも売れないな、、

こういうアマチュアをいっぱい見ますが、音源を聞いたら、ほぼほぼがっくりします。

プロの音源に劣るからではなく、プロの音源に近づける努力をしていない、と。

 

音源の研究に全力を注いでみませんか?