作曲に興味がある人の中で、「でもピアノが弾けないなぁ」と迷っている人、結構いますよね。
ネットや雑誌で作曲者の作業環境を見ると、コンピュータやスピーカーと、なにやらわけわからない機材、そして大抵の場合鍵盤があります。
場合によっては、何台もの鍵盤がおいてあって、その中には20鍵くらいの短いものまでありますね。
これを見て、やっぱりピアノが弾けることが最低スキルなんだ、と思う人が結構います。
結論から言いますと、あれは鍵盤ですが鍵盤楽器ではありません。 鍵盤の形をした機材です。 鍵盤楽器としても使うことができますが、それ以外の使い方もします。
だから、鍵盤楽器のように見えるものがあるのだから鍵盤が弾けるんだ、と思うのは早合点です。 実際私の周りにはピアノがほとんど弾けない、でもオリコンなんかにガンガン入る曲を作っている人がたくさんいます。
じゃあなぜみんな鍵盤を置いているのか。 上にも書きましたが、楽器ではなく、信号発信機として使っているんです。
例えばドラム。ドラムには音程がありません。 でも、ドラムの打ち込みも鍵盤を使ってするんです。
鍵盤の一つ一つにドラムのパーツ(キック、スネア、シンバルなど)が割り当てられているのです。 当たり前ですが、普通のドラムを入力するための鍵盤の押さえ方は、ピアノなどの押さえ方とは全く違います。 ピアノの弾き方ではほぼ出てこない、両手の人差し指一本ずつでの演奏なんかも、ドラムの打ち込みでは当たり前のようにやります。
要はちゃんと打ち込めれば良いだけなので、指の形や番号なんてどうでもよいわけです。 作曲段階だったら、右手の人差指一本だけで、同じ箇所を何度も繰り返して入力していってもよいわけです。
作曲家になりたい人に絶対必要なものはなにか。 それは鍵盤を含めた楽器を演奏する技術ではありません。
どちらかといえば鼻歌が歌えることの方が重要ですね。 鍵盤を弾くことに比べたら敷居が低いでしょう?
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作曲をするに当たっては
- 曲として成り立っている
- 質が高い曲である
の2段階があります。
質の高い曲を作るのは、本当に難しい。 一方、曲として成り立つという段階は意外に簡単です。 楽器のスキルや、音楽理論の知識など、何やら難しそうなイメージが先行していますが、鼻歌でAメロ、Bメロ、サビまで作ったら、曲としては成り立ちます。
興味がある人は、深く考えずに始めてはいかがでしょうか?