日々じゃーなる

日々の生活でおもったことをなんとなく、でも結構まじめに綴るブログです。 趣味は読書とビリヤード。仕事は音楽関係。

何に価値を感じるか〜ビンテージギターを売ることにしました

楽器には、いわゆる「ビンテージ」と呼ばれるカテゴリーがあります。
これは中古とは違うのですが、明確に何が違うかと言われたらちょっと難しい。
興味がある人は調べてみてください。

有名なのはバイオリンですかね。
ストラディバリウスというバイオリンはビンテージの代表で、もうハチャメチャに高い。
これを買ったバイオリニストは、演奏によって得た報酬をすべてバイオリン代にあてて一生を終える、とさえいわれているくらいです。

私もアコギのビンテージを1本所有しています。
今から約50年前製造のアコギです。

バイオリンは、その製作者が作ったということに価値があり値段が跳ね上がるのですが、アコギはもう少し楽器本体の要素が大きいと思います。

例えば使っている木材。
「ハカランダ」という木材がありますが、この木材を使ったギターはとても良い音がします。
しかし、この木材は現在条約で禁止されているので、現行品では製造できません。
つまり、ハカランダを使ったギターは、条約ができる前に製造されたものに限られるのです。

また、これはバイオリンも同じですが、木自体が振動して音を出す楽器なので、木の状態と音色は密接に関係あります。

木はもともと水分を含んでいますが、これが抜けると乾いた音になり、とてもきらびやかな音になります。

かといってドライヤーでガンガン乾かすと木が曲がります。

つまり、水が抜けるまでひたすら待つしかない。50年経っていれば、かなり乾いています

このような理由で、ビンテージギターというのもマニアの間では(ストラディバリウスほどではないですが)高額で取引されています。

では自分はどうかというと、、、正直そこまでそそられないんです。

ビンテージギターは確かに良い音だし、見た目にも雰囲気にも味があります。
しかし、実際に録音やライブで使おうとすると不便なことも多々あります。

ペグ(チューニングするときにつかう弦巻)は、昔のものに比べて現行品はとても緻密にできています。こっちに慣れてしまうと、昔のものはとても使いにくい

ネックの調整やメンテナンスも頻繁に行う必要があります。

ビンテージ好きの人にとっては、それでもビンテージを所有する意味が大きいのでしょう。
私もここに書いたとおり、ビンテージギターの魅力はある程度わかっていますが、今現在ライブ等で使っている現行品のアコギがあるので、ビンテージギターを触ることは年に1度もありません。

こういうものは、こういうものが好きな人が持っておく方が良いのだと思います。
だれかの心を満たしてくれるのが自分の楽器だったら、私の部屋で1年に一度も触られずに保管されているより有意義ですよね。