本当に痛ましい事故です。
これは事故というより事件とよんだほうが適切かもしれません。
容疑者の賠償額はまだ確定ではないようですね。
量刑は犯罪抑止、事故予防につながるか、という議論は昔からありますが、私は基本量刑で良いと思っています。
ただ、その量はどうやって決まるのか、というところが難しい。
今回の件もそうですが、特に死亡者が出た場合は懲役を何年にしても賠償額をいくらにしても、被害者は帰ってきません。
量刑の「量」が、被害を受けた分を取り戻すという考えならば、殺人であろうがなかろうが死亡者が出た場合全部死刑となります。
事件でも事故でも、故意でも過失でも、です。
私は死刑制度反対の立場ではありませんが、なんでもかんでも死刑にするべきとも思いません。
事件、事故が起こったときに優先して考えるのは被害者側のことだとは思いますが、被害者が加害者を死刑にするべき、ということを全部受け入れていたら死刑だらけになります。
それはあまりにも殺伐とした社会になってしまうでしょう。
これは死刑に値するほど重い罪でないときも同じです。
最近聞かなくなりましたが、一時期「バカッター」と揶揄されて話題になった投稿がありました。
従業員が店の冷蔵庫に入っているところの写真を投稿したあれです。
結局店側は閉店に追い込まれ、その従業員に損害賠償を請求しましたが、その額は被害分を補填するという考え方で決められたものでした。
数千万円にのぼります。
しかし、冷蔵庫に入って投稿した、という行為で数千万円は私はやりすぎだと思います。罪と罰がごちゃまぜになってます。
私は法律関係ではないので、冷蔵庫に入っているところをSNSに投稿したという行為に対して、どのくらいの賠償額が相場なのかはわかりませんが、少なくとも被害額とは切り離すべきです。
もしこれを被害に応じて決めるのならば、傷害事件などで被害者の回復が早かった場合は損害賠償額も減額となりますが、それは納得いきませんよね。被害者の体力があればあるほど、加害者が優遇されるなんてことはあってはいけません。
損害賠償という名前がついているので、もちろん無関係ではありませんが、かといって完全に被害額と一致させるのも問題があると思います。
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話が大きく変わりますが、もう一つ今回思ったのは、自動運転の普及を早めてほしい、ということです。
飛行機事故による死亡者数は年間平均でも0人に近いのに、事故予防という意味もあってか様々なオートメーション化がなされています。いえ、オートメーション化しているからほとんど事故がないのかもしれません。
それに対して、車は年間4000人近くの死亡者数を出しています。統計上比較にならないほど危ない車ですが、安全対策は飛行機と完全に反比例しています。
テクノロジーは万能ではありませんが、多くの命を救うことも事実、それは歴史を見れば明らかです。