音楽関係者でみんなが知っているのはもちろん、ステージに立って演奏しているアーティストですよね。
その次に有名なのは作曲家でしょうか。
アイドルやジャニーズ、EXILE系など、バンドメンバーが作曲をしない場合は、作曲家が曲を作ります。
最近はプロデューサーも注目されるようになりました。
最初に有名になったプロデューサーといえば、やっぱり小室哲哉さんと小林武史さん。
いわゆる「2人のTK」です。
実際には、この他にも沢山の人が関わって音楽業界は成り立っています。
その中でも特に重要なのがディレクターです。
音源が発売されるときの流れは、次のようになっています。
- 作詞、作曲
- 編曲
- 録音
- ミックス
- マスタリング
これら一工程ずつにその道のプロがいます。
作詞、作曲は作詞家、作曲家。
編曲は編曲家。
録音、ミックスはエンジニア。
マスタリングもエンジニアですが、マスタリングのエンジニアは録音、ミックスをするエンジニアとは違う人のことが多く、マスタリング・エンジニアと呼びます。
これだけの工程を経て発売されるわけですから、全体を仕切る人が必要です。
それがディレクターです。
ディレクターが表に出てくることはまずありませんが、ディクレターがいなかったら作品はできません。
映画の監督(つまりディレクターですね)は、音楽のそれより有名だから想像しやすいかもしれません。
原作者や脚本と監督が違うことはよくありますよね。
羅生門の物語を考えたのは芥川龍之介ですが、映画監督は黒澤明です。
監督がいなかったら映画ができない、というのはわかると思います。
音楽も同じです。ただ、音楽のディレクターが映画監督ほど有名ではないだけです。
ディレクターは、音源発売に関するあらゆる権限と責任を持っています。
OKを出すのもディレクターだし、売れなかった時に責任を取るのもディレクターです。
だから、重要な仕事なのは当たり前です。
実は、めちゃくちゃ有名なバンドのディレクターと今日お会いしました。
以前から名前は知っていましたが、直接会うのは初めてでしたので緊張しました。
でも、とても物腰がやわからかい人でした。
実は会うのに緊張してました、と言うと、こんな話をされました。
「ディレクターは、良い作品をつくるのが最終的に一番大切な仕事。
作曲家や編曲家、エンジニア、それからアーティストが嫌がったり怖がったりしながら仕事をして、良い作品ができるわけがない。
だからディレクターは、各工程のプロに対するリスペクトを絶対に忘れちゃいけない。
時に厳しいことも言うけど、あくまでその人達に寄り添うのが大切。
各工程のプロ、というのはつまり、音楽に関わる人たち全て、という意味」
初対面の私に緊張感を与えるような人柄では、ディレクター業務はムズカシイのかもしれませんね。
やっぱり、音楽至上主義です。良い作品を作り上げるためには、自分のエゴは捨てられるわけです。
音楽業界に入る前、ディレクターの存在はなんとなく知っていましたが、イメージでは怖い人、ビジネスライクな人でした。
今日あった人も含め、実際に現場に立っているディレクターは、全然違う。
スマートな根性がある人、っていう感じでしょうか。
人間味をとても感じます。
今後もこんなディレクターが音楽業界を支えていくのでしょうね。